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保育園で怪我が何度も続く…再発の原因をどう整理する?園への相談ポイント

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保育園で子どもの怪我が何度も続くときに、「またか…」という不安や怒りだけで判断せず、ケガの頻度・場面・パターンを整理しながら、体制・環境・子どもの特性という三つの軸から再発要因を切り分けて考えられるようにするためのガイドです。配置人数や死角・監督密度、空間構造や導線・遊具配置といった環境要因、衝動性や感覚の過敏/鈍麻などの行動特性を整理しつつ、再発要因を特定するための具体的な質問例や、園と対立しない“協働型”の伝え方、今後の連絡ルールや再発時のエスカレーション基準を一緒に整える視点までを解説します。

保育園で怪我が何度も続く…再発の原因をどう整理する?園への相談ポイント

最初に“再発している理由”を整理する

ケガが一度きりなら「たまたまかな」で済ませられても、何度も続くとさすがに落ち着かなくなりますよね。
ただ、「またケガをした」という結果だけを見て園を責めても、原因がぼやけたままで、具体的な対策にはつながりません。

まずは、ケガの内容や起きた場面を一歩引いて眺め直し、「どんなパターンで繰り返されているのか」「どの構造に原因がありそうか」を整理していくことが大事になります。
ここでざっくり“地図”を作っておくと、後の確認や相談もブレにくくなります。

ケガの頻度・場面・パターンを分類する

最初にやりたいのは、「なんとなく多い」から一歩進んで、頻度・場面・内容を具体的に並べてみることです。

外遊びのときばかりなのか、室内の特定コーナーなのか、同じ友達といるときに起こりやすいのか。
時間帯で見ると、朝より夕方近くが多い、活動の切り替え時に集中している、といった傾向が見えてくることもあります。
軽い擦り傷が細かく続いているのか、中等度のあざが何度か繰り返されているのかでも、意味合いは変わってきます。

こうしたパターン化をせず、毎回を“単発の出来事”として見てしまうと、「またか…」という感情だけが積み上がり、原因の絞り込みが進みません。
先にパターンを浮かび上がらせることで、「どこを質問すべきか」「どんな対策が必要か」の優先順位がつけやすくなります。
まずは「とにかくケガが多い気がする」という段階で、頻度や場面を落ち着いて洗い出したいときは、チェックリスト形式で体制や環境を確認できる記事から着手すると全体像をつかみやすくなります。 保育園でケガが多いと感じたときに、見守り不足か環境要因かを整理するための視点はこちら

再発を起こしやすい構造のどこに当てはまるか切り分ける

パターンが見えてきたら、それを「体制」「環境」「子どもの特性」という三つの枠に当てはめてみます。

同じ場所・同じ場面でのケガが多いなら環境要因の可能性、いつも似たような“見守りの薄さ”があるなら体制要因、どの場面でもその子だけが突出してケガが多いなら特性要因が考えられます。
もちろん、複数の要因が重なっていることも珍しくありません。

ここで「園が悪いのか、子どもが悪いのか」という二択で考えてしまうと、話がすぐ行き詰まります。
一つの原因に固執せず、「体制/環境/特性のどこにどれくらい寄っていそうか」をざっくり切り分けることが、後の相談を冷静に組み立てる土台になります。

園の見守り体制に起因する可能性を評価する

次に、「見守りの体制」が再発にどの程度関わっていそうかを見ていきます。
人数が足りているのか、死角は多くないか、危険が高まりやすい場面での監督の密度はどうか。ここを押さえることで、「体制の問題なのか、それ以外の要素が大きいのか」を少しずつ切り分けていけます。

配置人数・死角・監督密度を確認する

まずは、法定配置と現場の配置がどれくらい違うのかを聞いてみると、体制の輪郭が見えてきます。

人数だけでなく、部屋の形や棚・遊具の配置によってどれくらい死角が生まれているかも重要です。
同じ人数でも、死角が多い空間では監督密度が実質的に下がってしまいます。

また、走り回る外遊びや、片付け・移動のように子どもが一気に動く場面では、そもそも全てを見守り切るのが難しいこともあります。

「先生の人数が多いから大丈夫なはず」「全部見ていてほしい」と考えがちですが、現実には限界があります。
そのうえで、危険が高まりやすい時間帯にどう配置しているか、そもそも体制として無理があるのかを落ち着いて確認していくイメージです。

保育者が把握していた範囲を判断する

体制を見るときは、「どこまで見えていたのか」「どこからは見えていなかったのか」を分けて考えることが大事です。

事故直前にその子の様子を把握していたのか、危ない動きが出ていたのに気づけていなかったのか、担当者同士で情報がどう共有されていたのかを聞いていきます。
これによって、「見守りはしていたが間に合わなかった」のか、「そもそも視界に入っていなかった」のかが違って見えてきます。
説明が本当に妥当かどうか迷うときは、体制の問題だけでなく 園からのケガの説明そのものの信頼性をチェックする記事 と合わせて判断すると、「見守り」と「説明」の両面から冷静に整理しやすくなります。

見ていなかった=即過失、と決めつけてしまうと、冷静な検討が難しくなります。
ただ、説明が毎回曖昧で、誰もきちんと状況を追えていない状態が続いているなら、体制の見直しが必要なサインとも言えます。
その線引きをするためにも、把握範囲の確認は欠かせません。

過去の対応が改善に結びついているか確認する

再発かどうかを判断するには、「前回の対応が今回にどう反映されているか」も見ておく必要があります。

前のケガのときに原因をどう分析したのか、その際に話し合われた見守り強化や導線の調整などの改善策が実際に行われたのか、その後のケガの頻度に変化があったのかを確認します。

原因分析も改善策も曖昧なまま、「気をつけます」で終わっている状態だと、体制上の問題が温存されやすくなります。
一方で、小さな改善が積み重なっている場合は、体制だけに原因を求めるのも違うかもしれません。

「前とどこが変わったのか」を具体的に聞くことで、園の本気度や改善の方向性が見えてきます。

環境要因(空間・導線・遊具)の影響を整理する

次に、「場そのもの」に原因がないかを整理します。
どれだけ見守りを強化しても、環境が危険なままだとケガはなかなか減りません。

空間の作りや導線、遊具の配置を一度切り離して見てみることで、「ここを変えればかなり減りそうだ」というポイントが見えてくることがあります。

ケガが起きやすい環境構造を見抜く

環境要因を考えるときは、床材や段差、通路の狭さといった“構造”に注目します。

滑りやすい床やちょっとした段差、子どもがすれ違うには狭い通路などは、それだけで転倒や衝突を増やします。
また、玩具が散らかりやすい配置になっていると、足を取られて転ぶリスクが上がります。
園庭なら、斜面や段差、硬い地面との境界が危険ポイントになりやすいです。

こうした環境の問題を見落としたまま、「うちの子の不注意」「園の見守り不足」とだけ考えていると、いつまでも本質的な改善にたどり着きません。
まずは、「場所として危ないところはないか」を冷静に洗い出していく視点が必要です。

活動導線や遊具配置のリスクを判断する

もう一つの環境要因が、「導線」と「遊具の配置」です。

子どもたちが移動するときに細い通路に人が集中していないか、入り口付近に“人の行き来”と“遊び”が重なっていないか、座って遊ぶ子と走る子の動線が交差していないか、といった点を見ていきます。
導線が悪いと、子ども同士の衝突や転倒が連続して起こりやすくなります。

遊具についても、その年齢に合っているか、落ちたときにぶつかるものが近くにないか、高さや硬さは適切かといった観点で確認が必要です。

導線とケガを結びつけて考える発想がないと、「なんとなくまたケガをした」という印象だけが残り、不満の矛先が全部園に向きがちです。
環境を見直すことで、意外と大きく再発リスクが下がることもあります。

子どもの特性・行動パターンによる再発要因を整理する

三つ目の視点が、子ども自身の特性や行動パターンです。
もちろん「子どものせい」にするという意味ではありませんが、その子の特徴を踏まえずに原因分析をすると、「全部園が悪い」「全部子どもが悪い」という極端な判断になりがちです。

特性を理解したうえで、どう支えるかを一緒に考えていくイメージです。

行動特性(衝動性・過敏/鈍麻など)を切り分ける

再発が続いている子は、行動特性として

  • 興奮すると一気に走り出しやすい
  • 注意がそれやすく周りが見えにくい
  • 感覚が過敏でちょっとした刺激でも大きく反応する
  • 逆に鈍麻気味で痛みに気づきにくい

といった傾向を持っていることがあります。
運動発達の段階によっても、転びやすさや踏ん張りやすさは変わります。

こうした特性を知らないまま、「落ち着きがないから」「言うことを聞かないから」と行動だけを見て評価してしまうと、偏った見方になってしまいます。
特性=悪い行動ではありませんし、あくまで「ケガにつながりやすい特徴がないか」を一緒に探る視点が大切です。

特定場面でのリスクパターンを読み取る

特性を見るときは、「どの場面でその子がケガしやすいのか」に注目します。

特定の遊び(追いかけっこ、ボール遊びなど)や特定の友達との組み合わせで起こりやすいのか、集団での移動や片付けのときにだけバタつきやすいのか、疲れてきた夕方や空腹時に転ぶことが増えるのか、といった点です。

すべての場面を一括りにして「いつも危ない」とラベリングしてしまうと、現実とかみ合わなくなります。
一度の行動で特性を決めつけるのではなく、「どの場面で」「どんな状態のときに」リスクが高まりやすいかを見ていくと、対策も具体的に考えられるようになります。

園への相談ポイントと確認すべき情報

ここまでで「体制」「環境」「特性」のどこに再発要因がありそうか見えてきたら、それをもとに園へどんな質問をするかを整理していきます。

漠然とした不満を伝えるだけでは、具体的な再発防止策は出てきません。
確認したい情報を具体化しつつ、対立になりにくい伝え方に変えていくのがポイントです。

再発要因を特定するための質問を具体化する

質問を作るときは、まず「発生場面の詳細」「見守り体制の具体」「環境要因と行動要因の評価」の三つに分けて考えると整理しやすくなります。

たとえば、

  • このケガはどの活動中に、どこで起きたのか
  • そのとき先生はどのあたりにいて、何人くらい見ていたのか
  • 同じ場所で似たケガが他の子にも起きていないか
  • うちの子の動き方や特性で気になっていることはあるか

といった質問です。

不満だけをぶつけると、園側は防御的になり、具体的な情報が出てきづらくなります。
「再発要因を一緒に特定したい」というスタンスで、質問を3〜5点ほどに絞って伝えると、園も答えやすく、話し合いの焦点もぶれにくくなります。

対立しない“協働型の伝え方”に変換する

相談の場では、「誰が悪いか」を追及するよりも、「どうすれば再発を減らせるか」を一緒に考える姿勢を前面に出したほうが、現実的な改善につながります。

「責任を問いただしたい」という感情がゼロになるわけではありませんが、言葉にするときは「状況を把握して、これ以上ケガが続かないようにしたい」という目的を軸に置きます。

また、「この点がまだ分からないので教えてほしい」「園としてどこまでが難しいのかも含めて聞かせてほしい」といった言い方にすると、園の制約も踏まえた対話になりやすくなります。

柔らかく伝えると軽視されるのでは、と心配になるかもしれませんが、実際には“協働”の姿勢で話すほうが、園からも具体的な提案や情報が出てきやすくなります。

今後の再発防止ラインを整える

最後に、「これから同じようなケガが起きたときにどう動くか」のラインを、園と一緒に整えていきます。
連絡や報告の基準をすり合わせ、再発時の相談ステップを決めておくことで、その場の感情だけで動かずに済むようになります。

連絡ルール・報告基準を園と共有する

まずは、園が現在どのような基準で連絡や報告をしているのかを確認し、それに対して家庭としての希望を伝えます。

「このレベルのケガからはその日のうちに知らせてほしい」「顔や頭のケガは、小さくても電話で連絡してほしい」など、具体的なラインを話し合いながら決めていきます。

全てのケガで即連絡を期待してしまうと、現場の負担が大きくなり、運用が形だけになってしまうリスクもあります。
即連絡ラインと、連絡帳や口頭での報告で足りるライン、報告内容の範囲を共有しておくことで、再発時のストレスが少し減ります。

「ルールを確認する=強い要求」ではなく、お互いの安心のための土台作りとして位置づけておくとよいです。
再発防止だけでなく、謝罪や相手児への対応も含めてケガトラブル全体を把握しておきたい場合は、全体像をマップのように整理したガイドを一度読んでおくと、園との話し合いで「どこまで求めるか」の線引きがしやすくなります。 説明不足・連絡なし・相手児対応まで含めてケガトラブル全体を俯瞰できるガイドはこちら

再発時のエスカレーション基準を決める

それでも再発したときにどう動くかについても、あらかじめ基準を決めておくと迷いません。

たとえば、

  • 同じようなケガが一定回数続いたら主任に相談する
  • 重めのケガが再び起きたら園長に文書で相談する
  • 説明や改善が見られない状態が続いたら行政の相談窓口も検討する

といったステップです。

単発の再発で即エスカレーションしてしまうと、園との関係が急激にこじれることもあります。
行政相談も、対立を仕掛けるためだけではなく、状況整理や改善の手助けを求める手段として位置づけておくと、必要なときに冷静に使いやすくなります。

感情ではなく、決めておいた基準に沿って動けるようにしておくことが、長い目で見たときの安心につながります。

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