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ヒヤリハットを伝える前に何を押さえる?
保育園で「危なかった瞬間」があったと感じても、いざ連絡帳に書こうとすると言葉がまとまらず、感情が先に出てしまいがちです。
でも、ヒヤリハットは 事実・状況・危険度 の3軸に沿って整理すると、園側と認識がズレず、落ち着いて共有しやすくなります。まずは出来事を細かく切り分け、どこが危なかったのかを一つずつ拾っていくところから始めます。
ヒヤリハットは単体で切り離して考えるよりも、怪我やトラブル全体の流れの中で位置づけるほうが判断しやすくなります。
保育園の怪我トラブルを全体像から整理したガイド を先に把握しておくと、「今回は共有レベルか、相談レベルか」の線引きがしやすくなります。
起きた出来事を切り分ける
「危なかった」という印象だけで伝えると、園側には状況が正確に届きません。
必要なのは、目で見た事実をそのまま“小さなパーツ”に分解して書き出すことです。
- 起きた時間
- 場所(園庭・教室・廊下など)
- 子どもの行動
- 周囲の様子(混雑していた・走り回っていた など)
- 関わっていた相手(友達なのか、物なのか)
こうして切り分けてみると、自分の中の「不安」が実際に何を指しているのかが明確になり、落ち着いたトーンで伝えやすくなります。
危なかった点を見通す
ヒヤリハットの核心は 「何がどう危険につながり得たか」 です。
ここを曖昧にしたまま伝えると、園も「どこに注意を向ければいいのか」が掴みにくくなります。
例えば、
- 転びそうになった
- 友達と接触し、バランスを崩した
- 口に入れそうな物を持っていた
- 高い遊具で足を滑らせた
など、「あと一歩で事故につながった点」を具体的に書くと、園側もリスクを正確に共有できます。
“ヒヤリハット=大事故寸前” と受け止めてしまいがちですが、実際は “小さな危険の芽” を見つける段階なので、冷静に整理すれば十分です。
続いていないかを見比べる
単発か継続かで、相談の優先度は大きく変わります。
- ここ数日、同じ遊び場で似た場面が続いている
- 特定の友達との関わりで何度か接触が起きている
- 家庭でも不安そうな素振りが増えている
こうした“反復”が見えるときは、園と早めに共有すべきサインです。
一方で、一回だけで収まっている場合は、出来事の確認と簡単な相談で十分なこともあります。
なお、ヒヤリハットだけでなく怪我やトラブルが繰り返している場合は、
保育園で怪我が何度も続くときの原因整理と相談ポイント
の考え方も合わせて確認しておくと、次の判断につなげやすくなります。
子どもの様子から追加できる情報
ヒヤリハットを書き込むとき、出来事そのものだけでなく、子どもの変化 が重要な補足になります。
影響があるかどうかは、行動と感情に表れやすいからです。
行動の変化を捉える
行動は、子どもがその出来事をどう感じたかを示す“指標”になります。
- 登園しぶりが出ていないか
- 避ける遊びや場所が出てきていないか
- 以前より慎重すぎる・落ち着かないなどの変化があるか
これらは、不安の背景を園に伝える材料になります。
「気のせいかも」と片づけず、小さな変化も一度メモしておくと相談時に役立ちます。
気持ちの揺れを読み取る
感情は、ヒヤリハットの深刻度を補足するヒントです。
- 怖さ・驚き・不安が強く残っている
- 帰宅後になかなか落ち着かない
- 語りにブレがなく、何度も同じ話をする
泣いていないから平気、ということではありません。
強い感情が続いている場合は、早めに先生と情報を共有すると安心につながります。
園に確認すべき内容の整理ポイント
園との認識合わせをするためには、こちらが「何を確認したいのか」を明確にしておく必要があります。
現場の状況を捉える
まずは園が把握している情報を知るところからです。
- 先生がどの位置で見守っていたか
- そのときの活動内容
- 周囲の子どもの動きや密度
保護者側の想像と実際の様子が違うことも少なくありません。
「把握している状況を教えていただけますか?」という形で確認するだけで、双方の理解がそろいやすくなります。
再発の兆しを見極める
再発につながりそうなポイントも、あらかじめ整理しておきます。
- 同じ遊びでケンカや接触が続いていないか
- 危険が起きやすい時間帯(外遊び・自由遊び)
- 場所が特定されていないか(廊下・遊具周りなど)
ここを押さえておくと、園との話し合いの精度が上がり、再発防止策が立てやすくなります。
ヒヤリハットを書き込むときの伝え方
実際に連絡帳へ書くときは、「事実 → 質問 → 協力依頼」 の流れを意識すると、落ち着いた相談として受け取ってもらえます。
事実を整える
まずは、感情を入れずに 出来事の事実だけ を書きます。
- ○月○日 ○時ごろ
- 園庭の遊具付近で
- 子どもが走り回る集団の中で転びそうになった
- 周囲との距離が近く、少しヒヤッとした
といったように、簡潔でOKです。
心配を長く書く必要はなく、「どんな状況だったか」が伝われば十分です。
確認したい点を明確にする
次に、園に確認したいことを1〜2点に絞ります。
- 「その場を先生が把握されていたか知りたいです」
- 「同じような場面が園内でも起きていないか教えていただけますか」
- 「活動中の見守りの距離感を教えてもらえると安心です」
質問が明確だと、園の回答も具体的になります。
協力依頼として希望を伝える
最後に、再発防止の意図を “改善要求”ではなく“協力依頼” として添えます。
- 「外遊びの場面だけ、少し気にかけていただけると助かります」
- 「似た状況があれば、その日のうちに教えていただけると安心です」
- 「家庭でも声かけを工夫しますので、園の方でも気づいた点があれば教えてください」
強い口調にせず、あくまで“協力していきたい”というスタンスに整えることで、園側も受け取りやすくなります。
連絡帳にそのまま書けるヒヤリハット文例
ここからは、「そのまま写して使える」形の文例です。
強く言い過ぎず、園が状況を再現しやすい 事実→質問→協力依頼 の型に揃えています。
文例1:単発・軽め(まず状況確認)
いつもお世話になっております。
本日(○月○日)の降園時、園庭(または廊下)で○○が走っている子どもたちと接触しそうになり、転びそうになった場面があり、少しヒヤッとしました。
園内では同じような場面があったか、先生方が把握されていることがあれば教えていただけますでしょうか。
もし今後も似た状況が起きそうであれば、外遊び(または移動)の場面だけ少し気にかけていただけると安心です。よろしくお願いいたします。
文例2:危険につながり得た点が明確(具体の確認)
いつもお世話になっております。
○月○日(○)の○時ごろ、○○(場所:園庭の遊具付近/廊下/階段前など)で、○○が○○(例:遊具から降りる際に足を滑らせそうになった/小さい物を口に入れそうになった)場面があり、事故につながる可能性があると感じました。
当時の活動内容や、先生方がどのように見守られていたかを教えていただけますでしょうか。
家庭でも○○に注意を促しますので、園でも同様の場面があれば共有いただけると助かります。よろしくお願いいたします。
文例3:継続っぽい(頻度を入れて共有)
いつもお世話になっております。
ここ数日(○月○日〜○月○日)にかけて、○○(例:園庭の遊具周り/自由遊びの時間帯)で、○○が転びそうになる・接触しそうになる場面が複数回あり、少し気になっております。
園内でも同じような状況が起きていないか、また先生方から見て気になる点があれば教えていただけますでしょうか。
可能であれば、同じ時間帯・場所での見守り方針(距離感や声かけ)を共有いただけると安心です。よろしくお願いいたします。
まとめ:ヒヤリハットを正しく共有するために
ヒヤリハットは、感情のまま書くよりも、次の流れで整理すると伝わりやすくなります。
- 出来事を 「事実/危なかった点/頻度」 に分けて整理する
- 子どもの行動・感情の変化を短期間で確認する
- 園に聞きたい点と協力依頼を 1〜2行で準備する
- 再発の兆しがあれば、早めに相談を実行する
この書き方を身につけておけば、園と冷静に情報共有ができ、不安や誤解を最小限にしながら再発防止につなげることができます。
