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複数契約が絡む返金請求で混乱しやすい場面
返金トラブル全体の判断軸を先に整理したい場合は、返金請求の進め方を体系化したガイドを前提にすると、論点がズレにくくなります。
契約・申込・請求が複数重なっている場合、返金対応が進まない最大の原因は**相手ではなく「整理不足」**です。
実際には返金対象が明確でも、
- 自分の中で整理できていない
- 一文書に全部詰め込んでしまう
- どれが返金対象なのか相手に伝わらない
といった理由で、「内容が分からない」「確認が必要」と言われて止まるケースが多くあります。
重要なのは、説明することではなく、処理できる形に落とすことです。
契約ごとの内容と請求を切り分ける
複数契約がある場合、時系列で書くのは逆効果です。
相手が処理する単位は「出来事」ではなく契約だからです。
まずは頭の中で、以下のように切り分けます。
- 契約A:返金対象/対象外
- 契約B:一部返金対象
- 契約C:返金対象
この切り分けができていない状態で文章を書くと、
相手は「どれを処理すればいいのか分からない」状態になります。
一括対応できる範囲を見通す
複数契約を一通で請求してよいかどうかは、こちらの都合では決まりません。
判断基準は次のとおりです。
- 窓口・担当部署が同一か
- 返金方法が同一か
- 契約番号ごとに処理が分かれていないか
これらが共通していれば、一通でまとめて請求して問題ありません。
逆に、窓口が異なる場合は、分けたほうが早く終わることもあります。
複数契約に対する返金請求文の立ち位置
複数契約が絡む場合ほど、
「説明したくなる」「経緯を書きたくなる」気持ちが強くなります。
しかし、返金請求文の役割は説明ではなく処理依頼です。
まとめて請求する場合と分ける場合を比較する
- まとめる場合:
→ 相手の処理負荷を下げるため、一覧化が必須 - 分ける場合:
→ 各契約で完結する短文が有効
どちらが正解かではなく、
相手が最短で処理できるかを基準に選びます。
説明文と請求文を切り分ける
背景説明を厚くすると、次の問題が起きます。
- 社内共有しづらい
- 判断が後回しになる
- 「検討します」で止まる
請求文では、
何を・いくら・いつまでに
この3点だけが分かれば十分です。
複数契約の返金請求文に必ず入れる要素
複数契約を一通で請求する場合は、法的に安全な返金請求文の構成を前提に組み立てると、不要なリスクを避けられます。
複数契約では、情報が一つ欠けるだけで処理が止まります。
契約番号・契約日を整理する
返金処理の起点は、必ず以下の識別情報です。
- 契約番号(または申込番号)
- 契約日
「○月頃の契約」などの表現は、処理不能になります。
返金対象と返金額を対応づける
合計金額だけを書くのはNGです。
相手が必要なのは、
- 契約A → ○円
- 契約B → ○円
という対応関係です。
返金期限と方法を一本化する
複数契約でも、
- 返金期限
- 返金方法
は一つにまとめたほうが通りやすくなります。
処理判断を一度で済ませられるためです。
複数契約が絡む場合の返金請求文のテンプレート
以下は、複数契約を一通で処理に回すための実務向けテンプレートです。
件名:複数契約に関する返金のお願い
○○株式会社
ご担当者様お世話になっております。
下記の契約につき、返金対応をお願いしたくご連絡いたしました。【返金対象契約一覧】
① 契約番号:○○
契約日:○年○月○日
返金希望額:○円② 契約番号:○○
契約日:○年○月○日
返金希望額:○円(合計返金希望額:○円)
上記はいずれも、契約内容と異なる/未提供部分が確認された契約です。
恐れ入りますが、○年○月○日までに、
下記方法にて返金対応をご検討いただけますでしょうか。【返金方法】
○○(例:指定口座への振込)ご不明点がございましたら、ご連絡ください。
何卒よろしくお願いいたします。――――――――
氏名:○○
連絡先:○○
――――――――
契約一覧を簡潔に特定する
文章で説明せず、一覧で示すことで理解コストを下げます。
相手はそのまま社内共有できます。
返金対象契約と金額を明示する
「どれに、いくら返すか」が一目で分かることが最優先です。
期限内対応を指定する
複数契約でも、期限指定は問題ありません。
判断を促すための事務的要件です。
複数契約請求後の判断分岐
相手の処理状況を評価する
- 一部契約のみ対応
- 金額確認の連絡
これらは「前進」です。
一括でなくても、処理が動いていれば成功と捉えます。
請求を分割するかを見通す
相手から、
- 「契約ごとに分けてほしい」
- 「この契約は別部署」
と言われた場合、分割請求に切り替えるのは合理的判断です。
弱くなることはありません。
複数契約の返金請求で重要なのは、
正しさではなく処理可能性です。
整理 → 一覧化 → 要求明示
この順で組み立てれば、複雑な状況でも返金対応は前に進みます。
