目次
「これなら証拠として通る」と言える基準を先に整理します
証拠は“スクショを集めればいい”だけではなく、相手・日時・内容の三つが揃って初めて使える形になります。
どれか一つでも欠けていると、警察や弁護士から「少し弱いですね」と評価されてしまう場面は普通にあります。
また、意図的な編集や加工を疑われないことも重要です。部分的な切り取りだけを提出すると「前後の文脈が分からない」と証拠価値が一気に落ちます。
その意味で、同じ内容を 画像/PDF/クラウド の三つで残す “3セット保存” はかなり堅い方法です。自分と子どもを守るための保険だと思って、最初から仕組みとして用意しておくのがおすすめです。
SNS以外の証拠の集め方はこちらをご覧くださいませ。
【テンプレ付き】いじめ証拠記録ノートの書き方|時系列メモ・記録例・保存方法を完全解説
LINEの証拠を落とさず残すやり方
LINEはいじめ相談で最も使われる証拠です。
ただ、提出されるデータのうち、見た目は強そうなのに「証拠としては惜しい」 というものがかなり多いのも事実です。
特に、相手の名前やアイコン、トーク日時が写っていないと“誰との会話なのか”が分からなくなり、証拠としての力が弱くなります。
トーク一覧のスクショで「誰との会話か」を固定する
まず最初に、トーク一覧の画面をスクショしておきます。ここでは、
- アカウント名(表示名)
- アイコン
- 最後のやり取りの日時
が同時に写るようにするのがポイントです。
これが、“このアカウントとやり取りしていた”という証拠の土台になります。
トーク本文は連続で撮って“前後のつながり”を残す
長いやり取りや複数メッセージにまたがる場合は、スクショを分割しても問題ありません。
その代わりに、上下を少し重ねて連続して撮るようにします。
- コマ送りのように流れを追いやすい
- 「途中を削っていない」ことが分かりやすい
この2点が押さえられるだけで、改ざんを疑われにくくなります。
画像・動画は“元データのまま”保存する
LINE上で送られた画像や動画を、画面録画や再撮影で残してしまう方もいますが、これは証拠価値が落ちます。
ダウンロードできる場合は、必ず 元のファイル形式のまま 保存してください。
スクショでテキストを残すのはあくまで「閲覧しやすいコピー」。
いざというときの決め手は、元データです。
SNS(X・Instagram・TikTokなど)の証拠を確実に残す
SNSはいじめの発端になりやすい一方で、投稿が一番削除されやすい場所でもあります。
そのため、見つけた時点での 即スクショ→URL保存→クラウド二重化 が基本です。
投稿者ID・URL・投稿内容をセットで残す
SNS証拠で特に重視されるのは、
- 投稿者のID(ユーザーネーム)
- 投稿ページのURL
- 実際の投稿内容(文章・画像・動画)
がセットで確認できるかどうかです。
投稿本文だけのスクショは、「本当にその人のアカウントか?」という点で争われやすくなります。
コメント欄・DM欄も必ず証拠化する
いじめの実態が一番表に出るのは、投稿よりも コメント欄やDM であることが多いです。
- からかい・侮辱・あだ名
- 集団での悪口
- 裏アカウントでの継続攻撃
これらもれっきとした証拠です。投稿本体だけで満足せず、周辺のやり取りも一緒に残しておくと、後で状況を立体的に説明しやすくなります。
削除・鍵垢化に備えた二重保存
SNSは、加害側が後から消しやすい媒体です。
- その場でスクショ
- 必要に応じてPDF化(印刷→PDFなど)
- クラウドストレージに保存
という流れで、同じ内容を複数の形で残しておくと安心です。
写真・動画の“証拠としての撮り方”
怪我・破れた服・壊された物などの 物的証拠 は、扱い方次第で非常に強い力を持ちます。
ポイントは、「何が」「どれくらいの期間」「どのように変化したか」を後から説明できるようにしておくことです。
撮影した順に“時系列”で残す
傷や腫れ、打撲は翌日以降に形が変わります。
初日→数日後→1週間後…といった具合に、変化が分かるように撮影しておくと、被害の大きさを説明しやすくなります。
保存するときも、撮影した順に並ぶようにしておくだけで、証拠としての説得力が変わります。
EXIF情報が消えないように注意する
スマホ写真には、撮影日時や端末情報などのEXIF(メタデータ)が含まれています。
一部の編集アプリや圧縮アプリは、このEXIFを消してしまうことがあります。
- 証拠性の高い写真は、まず「オリジナルのまま」別フォルダに保存
- 必要なら、そのコピーを編集して日常用に使う
という二段構えにしておくと安心です。
動画は編集・音消し・トリミングNG
動画は、原則として 撮影したままの形で保存 してください。
- 音声を消す
- トリミングする
- テロップを入れる
といった編集は、それだけで「加工された」と受け取られ、証拠価値が下がる可能性があります。
見やすい編集版を作るとしても、必ずオリジナルを別に残しておきましょう。
証拠フォルダの作り方とクラウド保存
証拠がスマホやPCのあちこちに散らばっていると、専門機関側が状況をつかみにくくなり、対応も鈍ります。
最初にフォルダ構成だけ決めておくと、あとから足していくだけで整理が完了します。
二つ以上のクラウドに同時保存する(Google Drive+iCloudなど)
スマホ紛失・水没・故障は現実的なリスクです。
できれば、
- 手元の端末(スマホ・PC)
- クラウドA(Google Driveなど)
- クラウドB(iCloud・OneDriveなど)
と、最低でも2カ所以上にバックアップしておくと安心度が一気に上がります。
日付ごとにフォルダを分けると一気に整理される
ファイル名を一つひとつ工夫する必要はありません。
フォルダ名を「2025-01-14」「2025-01-15」のように日付単位で作り、その日に取れたスクショや写真を丸ごと放り込んでおくだけでも十分です。
時系列で並んでいるだけで、学校・警察・弁護士の誰が見ても状況を追いやすくなります。
弁護士・警察へ渡すときに使いやすい形にする
提出の段階では、
- 重要なスクショをまとめたPDF
- それを支える元画像のフォルダ
という2段構えにしておくと、とてもスムーズです。
画像ファイルを一枚ずつメール添付してしまうと、相手側の確認に手間がかかり、対応も遅くなりがちです。
“このまま渡せる証拠セット”の形を作る
最後に、迷わないためのミニマムセットをまとめておきます。
ここだけ整えておけば、どの専門機関でも話が通りやすくなります。
- LINE/SNSのスクショ(相手ID・日時・内容が一緒に写っているもの)
- 怪我・物損の写真(撮影日ごと・変化が分かる順番で)
- 上記をまとめたPDF(閲覧しやすい形)
- オリジナルデータのクラウド二重保存
- 日付フォルダにまとめた“時系列セット”
専門機関は、“揃っている証拠”から動きます。
細かい作業に見えても、ひとつひとつ積み上げるほど 保護者側の交渉力と安全度 が上がっていきます。
証拠があなたとお子さんの味方になってくれるように、ここだけは意識して丁寧に残しておく価値があります。
証拠が揃えば、損害賠償や弁護士への相談、教育委員会への相談など、外部機関とのやり取りは一気に進みます。
内容証明の送り方など、法的なフェーズの解説はこちらの記事にまとめていますので、あわせてご確認くださいませ。
【完全版】いじめ加害者への損害賠償・内容証明・処分要求・和解までの実務ガイド
また、「証拠を集めたあと、次に何をするか」を整理したい場合は、こちらのロードマップも参考にしてください。
子どもがイジメに遭った時の完全ガイド|フローチャートで安全確保・証拠・学校対応から損害賠償・解決後のケアまでを解説
